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夫の暴言と強い弁護士 [DV]


 長い間、夫から暴力や暴言を受けてきた方からのご相談を受けていると、共通する言葉が沢山出てきます。
 誰に食わせてもらっていると思ってるんだ
 生意気なことを言うな
 気にいらないなら子どもをおいて出ていけ
 離婚になったら、お前は経済力がないから子どもは取れない
 裁判官はお前の言うことなんか信じない
 俺は金があるから強い弁護士を雇って絶対勝つ

いかがですか。こんなこと言われていませんか?

二人で協力して家庭生活を作っているのに、お金を稼いでくるのは大変だから偉い人、家事はできて当然、それしかできないつまらない奴。三食昼寝つきなんて家事の苦労を知らない人の言葉ですね。社会全体の拝金主義と男女の役割分担意識がこんな関係を作っているのでしょう。

 でも、男の言い分が通るという世の中ではありません。いくら会社で出世していても、あるいは資格をもって成功している人でも、離婚となればただの人。裁判所では、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」という憲法24条の精神にのっとって審理が行われます。

 弁護士に沢山お金を払ったから絶対勝つなんてものでもありません。高い弁護士=強い弁護士というのは、幻想です。お金があってもお金がなくても、困っている人のために全力を尽くすのが、弁護士の本分。法テラスという法律扶助制度を利用しても、十分戦えます。
 
 もっとも、離婚後の生活を考えると、財産分与である程度の金銭給付を受けた方が、安心ですね。その時は、弁護士も報酬をいただきます。でも、だからといって夫からとったお金が弁護士費用に消えてしまうなんてことはありませんから、ご安心下さい。
原田直子
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