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怖い!「憲法改正草案」 [福岡女性九条の会]

福岡女性9条の会の茶話会で、今年4月27日に自民党が発表した「憲法改正草案」の学習会をしました。そして、その内容の怖さに驚きました。

環境権など耳障りのいい内容がちりばめられているものの、狙いは、はっきりと9条で、アメリカの要請に応えて「戦争ができる国」に変えること。
集団的自衛権という、現行憲法のもとでは決して認められない、「日本が攻撃されなくても同盟国等の『自衛』戦争に参加できる権利」を明確にしています。
個人の自由・権利を制限的なものとしてしか認めず、政権に都合の悪い集会・結社などを禁止できるのも、国民を統制して服従させ、戦争遂行への道を容易にするために他なりません。
そして、武力攻撃や地震等の非常時に、国会によらず閣議だけで法律を作れる「非常事態宣言」。軍事審判所は、軍人(!?)・公務員が対象ですが、「共犯」扱いをすれば民間人も対象になります。

さらに重要なのは、憲法改正の要件を実に簡単なものにしていること。当初は、一般受けする内容とセットで改正要件を変えた後、段階的に9条を変える意図が見え見えです。
2005年に発表された「新憲法草案」より、露骨に戦争への道へ進む内容が、堂々と発表されていることに恐怖を覚えました。

連休前のぼーっとしている時期で見落とした?(サンフランシスコ講和条約で主権回復した日にちなんだそうだ)、いや、新聞の見出しで見たような気がするけど、日常に追われて関心から離れてしまった、学習会がなければ忘れたままだった!と反省しきりです。

一体どれだけの人が、この内容を支持しているのでしょう。案外、多いのかもしれません。深く考えなければ、「義務も果たさず権利を主張するヤカラが多すぎる、世は自己責任だ。和をもって協力して国際競争を勝ち抜くのだ」という論理は、耳障りよく聞こえます。

子どもの頃、平和教育を受ける都度、怖さと共に疑問に思ったことがあります。「でも、そんなに嫌な戦争も、始めたのは自分たち日本で、多くの人が支持したから続いたんでしょう」。
大人になった私なら分かります。
政権は、自分自身を守るため、政治の難しさや失敗から国民の目をそらす材料を求める危険を常にもっています。そして、人々は、政治や経済の停滞などから生活に不満や不安があると、問題の本質を掘り下げて考える前に、分かり易い攻撃材料にとびつきがちです。外国の非を情緒的に訴えたり、ナショナリズムを煽ったり、政権と一部の人との相乗が働いて、そして多くの無関心や沈黙が後押しとなって働いて、戦争が始まるのだ、と。
国家いう本質の中に、そして私たち自身の中に、暴走してしまう危険があると思います。
そして、憲法は、そうした国家を縛って暴走を許さないことで、私たち国民に安心して暮らせるようにした約束です。私たちは政権を選ぶけれど、その政権によって傷つけられる恐れがある。憲法は、そうならないように政権を縛るものなのです。決して、国との関係で、個人の自由や権利を縛るものではない、そのことを多くの皆さんに知って欲しいと思います。

 そんな有意義な学習会をした、福岡女性9条の会ですが(8月22日の原田純子弁護士のブログでもご紹介してます)、「憲法9条を護りたい」という一点でつながる女性の会です。
会費などはありません。講演会や学習会をしていますが、「9条を護りたい人がここにこれだけいます!」というために、お名前だけの参加でもOKです。ぜひご参加下さい(http://www.f-josei9.org/index.html 当事務所が事務局をしております)。
また、来たる10月13日(土)にエコノミストの浜矩子さんの講演会「平和と正義が出会う時:大人のグローバル社会はいずこに」を予定していますので、こちらにもぜひご参加下さい。

相原わかば
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