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古今亭菊千代さんの、勇気が出て心温まるお話 [福岡女性九条の会]

去る10月5日、福岡女性九条の会の第11回集会として、落語家の古今亭菊千代さんをお招きして、落語とお話の会を開催しましたが、おかげさまで、今年も盛況に終えることができました!

古今亭菊千代さんは、女性初の真打になり、20年。
男性社会だった落語界にあって、しなやかに、かつ、たくましく風穴を開けてこられました。
菊千代さんは、手話落語や朝鮮語の落語にも取り組んでおられます。
朝鮮語の落語を始めたきっかけは、ピースボートとの出会いから。
北朝鮮を訪問する縁があり、そこで暮らす、私達と変わらない、人情に厚い人たちに触れ、落語を披露して交流したいけど、その面白さは通訳では伝わらない、と、朝鮮語での披露を約束し、翌年には約束を果たしました。
国と国には国交がなくても、人と人の付き合いを深めますが、日本で、北朝鮮について報道される時は、対立が深まった時だけ、暗いイメージで語られることに胸を痛め、当たり前だけど忘れられがちな、そこに住む人達が、「国家」とイコールでないことを伝えるよう心掛けておられます。
国交のない国の人達とはいつ会えるか分からないと、別れる時の切なさや、交流のバスの中で、北朝鮮の人達が「翼を下さい」の歌を気に入って何度も合唱したこと、そしてそのことの意味の重みを実感させられたこと、などに触れ、そうした経験を重ねる中で、それまで、「芸人は政治に首を突っ込むな」との戒めや無言の空気もあり、政治に関心をもってこなかったけれど、「政治って、自分の生活そのものだ。とても大事なものだ」と気づいて行動するようになった、といいます。
菊千代さんは、世界を見る中で、憲法9条の素晴らしさに気づき、それなのに大切にされていないことに危機感をもって、憲法9条の9の字を染め抜いた紋付をまとうようになりました。
初対面で、「政治の話、憲法の話、できる相手かな?」と恐る恐る探りながら…というプロセスがもったいないから、自分から表明する。受け入れてくれない相手を恐れず、受け入れてくれる人を見つけ出して、意気投合したいし、無関心だった人の関心を向けたい、と。
押しも押されぬ師匠、怖いものがないからできる…というのでは、決して、なくて、むしろ、落語界・芸の世界は、伝統や人の評判が大きく左右する世界。憲法や平和を語ることは、とても勇気のいる行動です。実際、北朝鮮との交流がバッシングされた時期もあったといいます。
かくいう私も、弁護士として話す場でなら、憲法・平和の旗色をハッキリできますが、地域や子どものつながりでは、相手を選んで、探り探り…。

菊千代さんが、紹介していた、「はちどりの一滴」というお話があります。山火事の時、たくさんの動物が逃げる中で、はちどりが水を汲んでは火にかけている、「そんな無駄なことを」という動物に、はちどりは「私は私ができることをしています」と答える、というものです。

菊千代さんの思いを象徴するようで、私も、ちょっと面倒とか、ちょっと勇気がいる時に、頭で考えて、「どうせ」「私一人くらいがやっても」という言い訳で、大事なことを通り過ぎてしまうことがないように、心していかなくちゃと、刺激と勇気をもらいました。
平和って、努力し続けないと続かないものですからね…。
菊千代さん、ありがとうございました。

会場では、9月に出版されたばかりの、菊千代さんの子供向け落語の本
「体験! 子ども寄席」
を販売しました。
これが、落語も面白いですし、愛すべき落語の世界の住民たちの暮らしが分かるトリビアが盛りだくさんで、楽しい本です!ご自宅や、学級文庫などにお勧めです~。
余談ですが、我が家の子どもは、「面白すぎて死ぬー」と小学生っぽいことを言って、シャイなくせに音読してみせています。(演じている、と言ってやりたいけど、とてもいえない…)

そうそう、福岡女性九条の会では、11月2日(土)に茶話会を持ちます。
集会の資料に、自民党憲法改正草案の対比表を入れたのですが、茶話会では、「自民党が目指す家族と憲法」をテーマにおしゃべりしたいと思います。
2~4時、女性協同法律事務所にて、ぜひご参加ください。

相原わかば
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