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自民党の石破幹事長発言 「テロ行為とその本質においてあまり変わらない」について [政治・法案]

 連日の批判報道が耐えない特定秘密保護法案について。

 自民党の石破幹事長が、議員会館前での「特定機密保護法絶対阻止!」の訴えについて、「テロ行為とその本質においてあまり変わらない」とブログに記載をしています。

 この法案の政府によるパブリックコメント募集では、通常よりもごく短期間で締め切るという姑息な手段がとられました。
 それにもかかわらず、約9万件の意見が寄せられています。
 そして、そのうち 77%が反対だったとされています。

 この法案については、いわゆる有識者らからの問題点の指摘、
 市民による草の根的な反対運動、
 米国含む海外識者マスコミらによる批判や懸念の声などが後をたちません。

 普段は政治的意見の表明を控えている文化人・芸能関係者らによる
 批判意見の表明も目立ちます。

 それだけ、多くの人が、この法案に対して、危機感を抱いているということです。

 これらの活動のうち、国会議員会館前での活動につき、
 自民党の石破幹事長は、下記のようにブログに記載をしました。

「今も議員会館の外では「特定機密保護法絶対阻止!」を叫ぶ大音量が鳴り響いています。いかなる勢力なのか知る由もありませんが、左右どのような主張であっても、ただひたすら己の主張を絶叫し、多くの人々の静穏を妨げるような行為は決して世論の共感を呼ぶことはないでしょう。
 主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。」(http://blogos.com/article/74801/

 自分達が、民意にも反対意見にも耳を貸さず、
 拙速に法案成立をゴリ押ししようとしていることを棚に上げて、
 「民主主義に従って」と書けるその感覚に驚かされます。

 これについて内田樹先生は自身のブログにおいて、以下のように述べます。

 「重要な発言である。
 彼の党が今採択しようとしている法案には「特定有害行為」の項で「テロリズム」をこう規定しているからだ。
『テロリズム(政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう)』(第12条)」

 「幹事長の解釈に従えば、すべての反政府的な言論活動や街頭行動は「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要」しようとするものである以上、「テロリズム」と「その本質においてあまり変わらないもの」とされる。」

 「このブログでの幹事長発言は公人が不特定多数の読者を想定して発信したものである以上、安倍政権が考える「テロリズム」の定義をこれまでになく明瞭にしたものと私は「評価」したい。」

 「石破幹事長によれば、私が今書いているこのような文章も、政府要人のある発言についての解釈を『政治上の主義主張に基づき他人にこれを強要』しようとして書かれているので『テロリズム』であるいう解釈に開かれているということになる。
私自身はこれらの言葉は「強要」ではなく「説得」のつもりでいるが、「強要」か「説得」かを判断するのは私ではなく、「国家若しくは他人」である。」

「このように法案文言に滑り込まされた「普通名詞」の定義のうちにこそこの法案の本質が露呈している。」(http://blog.tatsuru.com/

 ただでさえ本質的な情報が隠蔽され続ける原発問題、
 日本版国家安全保障会議(NSC)の議事録を作らないという政府方針、
 秘密保護法案の拙速な国会審議。

 子ども達が将来、大本営発表のような政府に都合のよい情報だけを流され、
 情報収集も反対意見の表明もできず、
 国家からの監視と逮捕に怯えるギスギスとした相互監視社会や、
 あるいは戦禍の中で、この国の今を振り返らなくてよいように。
 
 あの時が分かれ目だったと、
 あの時の大人は、どうしてもっと真剣にこれらを阻止してくれなかったのかと泣かなくてよいように。

 一人一人の力は微々たるものであっても、それぞれが意見や思いを表明し、こうした国民を馬鹿にしきった政治家の傲慢な発言や行動を許さないようにしていければと心から思います。

(郷田)
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